君だけが俺の居場所だった


美都は視線を逸らす。

心臓がうるさい。

来るんじゃなかった。

そう思うのに。

帰りたいとは思わなかった。

「……緋色は」

やっと出た言葉。

翡翠が瞬きをする。

「うん?」

「様子見に来ただけだ」

即答だった。

準備していた言い訳。

でも。

翡翠は数秒黙ったあと。

ふっと笑った。

「ふーん」

完全に信じていなかった。

美都の眉が寄る。

「何だ」

「別に?」

翡翠は笑っている。

絶対に何か思っている顔だった。

「緋色なら寝てるよ」

「そうか」

「うん」

沈黙。

気まずい。

でも。

なぜか帰ろうとしない。