君だけが俺の居場所だった


スマホを見る。

トーク画面。

開く。

閉じる。

開く。

閉じる。

そして。

気付けば歩き出していた。

向かう方向は。

自宅じゃない。

橘家だった。

「……緋色の様子見るだけだ」

誰に言うわけでもなく呟く。

言い訳だった。

自分でも分かっていた。

緋色が心配。

それも本当。

でも。

それだけじゃない。

三日間。

会っていない。

声も聞いていない。

顔も見ていない。

そのことが。

思った以上に苦しかった。

「……」

足は止まらない。

橘家へ向かっていく。