夜。
再びメッセージが来る。
『やっと寝たー🥲』
その後。
『私も眠い』
思わず笑う。
そして。
少しだけ寂しくなる。
今日は。
一度も会えなかった。
一度も。
声を聞いていない。
『おつかれ』
短く返す。
数秒後。
既読がついた。
『ありがとう☺️』
たったそれだけ。
なのに。
胸が少し温かくなる。
そして。
同時に思う。
今日一日。
ずっと翡翠のことを考えていた。
会えなかっただけで。
こんなにも。
神城美都は空を見上げる。
夕暮れの色はもう消えていた。
「……ずるい」
ぽつりと呟く。
緋色に向けた言葉だった。
でも。
本当は。
そんな風に思う自分自身が一番ずるかった。



