翡翠は顔を逸らす。 もう無理だった。 好きじゃないなら。 こんな風にならない。 近いだけで緊張して。 触れられただけでドキドキして。 一緒にいるだけで安心して。 そんなの。 答えは一つしかない。 「……やばいなあ」 小さく呟く。 美都には聞こえないくらい小さな声で。 しばらくして。 校内放送が流れた。 最終下校時刻。 二人はようやく立ち上がる。 「帰るか」 美都が言う。 少し名残惜しそうだった。 翡翠も同じだった。 でも。 言えない。 まだ。 言えるわけがない。