その時。 美都が少しだけ動く。 肩に額を擦り寄せるように。 無意識だった。 完全に。 翡翠の心臓が止まりそうになる。 「っ……」 思わず息を呑む。 でも。 美都は気付かない。 安心したように小さく息を吐くだけだった。 反則だと思った。 「……落ち着く」 ぽつり。 美都が呟く。 翡翠が固まる。 「え?」 「お前」 目を閉じたまま。 小さく続ける。 「落ち着く」 心臓が爆発しそうだった。