しばらく歩く。 やがて一軒のマンションの前で美都が立ち止まった。 「ここ」 翡翠は見上げる。 思ったより普通だった。 勝手に大きな家を想像していた。 「送った」 「そうだな」 「じゃあ帰るね」 そう言った時だった。 美都の身体がふらつく。 壁に手をつく。 翡翠は目を見開いた。 「神城くん!」 「……平気」 平気な人の顔じゃなかった。