「神城くんのことなら分かるよ」
その言葉に。
美都は何も返せない。
胸が熱い。
苦しい。
でも。
嬉しい。
今まで誰にも言われたことがない。
誰にも気付いてもらえなかった。
だから。
余計だった。
「……お前」
掠れた声。
翡翠が首を傾げる。
「何?」
美都は少しだけ迷う。
そして。
小さく笑った。
本当に小さく。
「ずるい」
翡翠が目を丸くする。
「なんで?」
「知らん」
即答だった。
でも。
耳だけ少し赤かった。
翡翠は吹き出した。
「何それ」
笑う。
その笑顔を見る。
胸が温かくなる。
安心する。
その時だった。
美都がふいに身体を傾ける。
翡翠の肩に。
そっと頭を預けた。



