「じゃあ私帰るね」 翡翠が立ち上がる。 外を見ると雨は少し弱くなっていた。 時間も遅い。 緋色も待っているはずだ。 美都はソファから視線だけ向けた。 「……そうか」 短い返事。 いつも通りの声。 なのになぜか胸の奥が少しだけ重かった。 翡翠は鞄を持つ。 「明日学校来れる?」 「行く」 即答だった。 「熱あるのに?」 「下がる」 「下がらなかったら?」 「行く」 翡翠は呆れたようにため息を吐く。 「神城くん」 「何」 「そういうとこだよ」 意味が分からない。 そんな顔をされた。