夜。 緋色は先に寝た。 相変わらず早い。 リビングには。 美都と翡翠だけが残る。 テレビはついている。 でも。 二人ともあまり見ていなかった。 静かな時間。 それが妙に心地よかった。 「神城くん」 翡翠が呼ぶ。 「何」 「少し顔色戻ったね」 美都は答えない。 でも。 否定もしなかった。 事実だった。 母親と会った直後は。 本当に限界だった。 でも。 今は違う。 翡翠がいる。 緋色がいる。 それだけで。 少しだけ救われていた。