食後。 緋色は風呂へ行った。 リビングには二人だけ。 静かだった。 翡翠はマグカップを両手で持つ。 美都はソファに座る。 沈黙。 でも。 嫌じゃない。 その時。 翡翠がぽつりと言った。 「今日は」 少し迷う。 そして。 笑った。 「泊まっていく?」 優しい声だった。 美都は顔を上げる。 翡翠は真っ直ぐ見ていた。 同情じゃない。 無理に気を遣っているわけでもない。 ただ。 一人にしたくなかった。 それだけだった。 「……」 美都は言葉に詰まる。 胸が苦しい。 嬉しくて。 苦しかった。