君だけが俺の居場所だった


緋色は美都を見る。

そして。

少しだけ真面目な顔になった。

「この人具合悪いの?」

翡翠が頷く。

「熱あるみたい」

「じゃあ姉ちゃん送ってあげなよ」

「え?」

「俺一人で帰れるし」

「でも」

「大丈夫だって」

緋色は笑った。

「じゃあ先帰るね」

そう言って手を振る。

翡翠は少し迷ったあと。

美都を見た。

相変わらず顔色が悪い。

「送る」

「いらない」

「送る」

「……」

「送る」

美都は諦めたようにため息を吐いた。

そのまま二人は再び歩き出す。

同じ方向へ。

まだ知らない。

この帰り道が。

少しずつ二人の距離を変えていくことを。