「私ね」
翡翠は雨を見ながら話し始める。
「最初は放っておけなかっただけなんだ」
美都の肩が揺れる。
「一人で苦しそうだったから」
正直な言葉だった。
「だからそばにいた」
美都は黙って聞く。
胸が痛い。
やっぱりそうだった。
同情だった。
そう思いかけた時。
翡翠は小さく笑った。
「でもね」
声が少し柔らかくなる。
「最近は違う」
美都が顔を上げる。
翡翠は少し照れたように笑っていた。
「神城くんが元気ないと気になるし」
「……」
「眠れてないと心配になるし」
「……」
「笑わないと気になる」
その言葉に。
美都の心臓が強く鳴った。



