雨は少し弱くなっていた。 東屋の屋根を叩く音も。 さっきより静かだった。 でも。 二人とも動けない。 美都は俯いている。 言ってしまった。 離したくない。 お前がいなくなるのが嫌だ。 全部。 本音だった。 今まで隠していたもの。 全部。 沈黙が続く。 美都は怖かった。 言い過ぎた。 重いと思われたかもしれない。 引かれたかもしれない。 嫌われたかもしれない。 胸がざわつく。 翡翠の返事が聞けない。 聞くのが怖かった。 すると。 翡翠が小さく息を吐く。 「神城くん」 優しい声だった。