君だけが俺の居場所だった


翌日も雨だった。

六月に入ってから毎日のように降っている。

「ほんとよく降るなぁ……」

憂鬱な気持ちのまま教室へ入ると女子達の騒がしい声が聞こえる。

「神城くん昨日も生徒会だったんだって」

「すごくない?」

「成績も一位なのに」

「完璧じゃん」

美都の話だった。

私も思わず視線を向ける。

美都は自分の席で本を読んでいた。

周りの会話なんて聞こえていないみたいに相変わらず無表情だった。

ホームルーム後に先生が困った顔をしていた。

「体育館使用表が見当たらないな……」

教室がざわつく。

提出期限は今日だったはずだ。

先生が探していると。

「ここ」

静かな声がした。

美都だった。

いつの間にか書類を持っている。

「助かった!」

先生はほっとした顔をする。

「さすが神城」

教室から感嘆の声が上がる。

美都は何も言わないで席へ戻った。

まるで当然みたいに。