「そんなの神城くんのせいじゃない」
翡翠の声が響く。
優しい声だった。
温かい声だった。
今まで誰も言ってくれなかった言葉。
ずっと欲しかった言葉。
その瞬間。
美都の中で何かが完全に壊れた。
「っ……」
涙が溢れる。
止まらない。
苦しい。
悲しい。
寂しい。
全部が一気に溢れてくる。
翡翠の服を握る。
強く。
強く。
離れないように。
「神城くん」
翡翠が呼ぶ。
でも。
美都は首を振る。
もう無理だった。
強がれない。
隠せない。
今まで押し込めていたものが全部溢れていた。
「……やだ」
掠れた声だった。
翡翠が息を呑む。



