「母親も同じだった」
俯いたまま続ける。
「疲れたって言ってた」
「……」
「俺といるのが苦しいって」
翡翠の指がぎゅっと握られる。
「だから頑張った」
美都は笑う。
泣きそうな顔で。
「迷惑かけないように」
「……」
「怒らせないように」
「……」
「捨てられないように」
その言葉に。
翡翠は息を呑んだ。
「でも」
美都の声が震える。
「結局いなくなった」
涙が落ちる。
止まらない。
「頑張ったのに」
「……」
「ちゃんとしたのに」
「……」
「置いていかれた」
その一言に。
今までの孤独が全部詰まっていた。
翡翠の胸が締め付けられる。



