「俺を置いていったんだろ」 雨の中。 美都の声が震える。 翡翠は何も言えなかった。 言葉が見つからない。 ただ。 目の前の美都が壊れそうだった。 いや。 もう壊れていた。 「神城くん」 そっと肩を抱く。 冷たい。 雨でびしょ濡れだった。 「ここじゃだめ」 優しく言う。 「移動しよ」 美都は反応しない。 ただ。 翡翠の制服だけを掴んでいた。 離れないように。 置いていかれないように。 必死に。