「……お母さん」 やっと出た声。 届かない。 母親は立ち止まらない。 雨の向こうへ消えていく。 「お母さん……!」 今度は叫んだ。 でも。 返事はない。 振り返ることもない。 完全に姿が見えなくなった瞬間。 美都の中で何かが切れた。