母親は傘を持ち直した。 そして。 背中を向ける。 「じゃあ」 その一言だけだった。 美都の目が見開かれる。 待って。 そう言いたかった。 行かないで。 そう言いたかった。 でも。 声が出ない。 身体が動かない。