「ほら」
「……」
「眠いんじゃん」
「違う」
「違わない」
美都は返事をしない。
正直限界だった。
熱もあるし頭も重い。
昨日からまともに寝ていない。
でも誰かがいる状態で眠るのは落ち着かなかった。
それが当たり前だったから。
一人でいることに慣れすぎていた。
「神城くん」
「何」
「寝ていいよ」
その言葉に美都は少しだけ目を細めた。
「帰らないのか」
「寝るまでいる」
「なんで」
「心配だから」
またそれだ。
今日だけで何回聞いただろう。
でもなぜか嫌じゃなかった。
「大丈夫なのに」
ぽつりと呟く。
翡翠は首を振った。
「大丈夫じゃないよ」
優しい声だった。



