放課後。 昇降口。 翡翠は友達と話していた。 楽しそうだった。 笑っている。 それを見る。 胸が痛む。 取られたくない。 その感情が浮かぶ。 でも。 その資格なんてない。 付き合ってもいない。 好きだとも言っていない。 だから。 何も言えない。 「神城くん!」 翡翠が駆け寄ってくる。 友達と別れたらしい。 その笑顔を見る。 嬉しい。 でも。 苦しい。 「待った?」 「別に」 いつもの返事。 翡翠は笑う。 「嘘」 即答だった。 最近。 全部見透かされている気がする。