その瞬間。
翡翠が固まる。
最近よくある。
近付かれると避ける。
以前はそんなことなかった。
むしろ。
最近は目も合わせない。
「神城くん」
「何」
「私なんかした?」
少し不安そうだった。
美都は息を止める。
違う。
そうじゃない。
お前が悪いわけじゃない。
むしろ逆だ。
問題は全部自分だ。
「してない」
やっと答える。
翡翠はまだ納得していない顔だった。
でも。
それ以上は聞かなかった。
優しいから。
その優しさが。
今は少し苦しかった。
もし。
本当に好きなら。
この距離は危険だ。
そう思うのに。
離れられない。



