君だけが俺の居場所だった


「大丈夫!?」

翡翠が慌てて顔を上げる。

まだ近い。

近すぎる。

美都は一歩下がった。

「……前見ろ」

掠れた声だった。

翡翠は状況を理解する。

自転車。

引き寄せられたこと。

そして。

今の距離。

「ご、ごめん!」

顔が赤くなる。

慌てて離れる。

美都も視線を逸らした。

心臓がうるさい。

落ち着かない。

今までとは違う。

何かが。

確実に違っていた。