しばらくしていい匂いがした。
お粥を持ってくる。
「はい」
テーブルに置くと美都は黙って見ていた。
湯気が立っていて温かそうだった。
「食べて」
「……」
「食べて」
「子供じゃない」
「じゃあ自分で食べて」
そう言われると反論できない。
美都はスプーンを手に取って一口食べる。
思ったより美味しかった。
「どう?」
「普通」
「美味しい?」
「普通」
絶対美味しい時の顔だった。
美都は気付いていない。
久しぶりだった。
誰かと食事をするのは。
向かい側には翡翠がいる。
当たり前みたいに。
その光景が少しだけ不思議だった。
そして少しだけ温かかった。
美都は黙ってお粥を口へ運ぶ。
その様子を見て私はようやく安心した。



