君だけが俺の居場所だった

雨音だけが響いていた。

翡翠は何も言えない。

胸がいっぱいだった。

苦しくて嬉しくて泣きそうでどうしようもなかった。

美都は俯いたまま。

繋いだ手を離さない。

逃げないように失くさないように。

「……ずるい」

翡翠が小さく笑う。

声が震えていた。

美都が顔を上げる。

翡翠の目には涙が滲んでいた。

「そんなこと言われたら」

笑う。

でも泣きそうだった。

「我慢してたのに」

美都の心臓が大きく鳴る。