沈黙が落ちる。
美都はソファにもたれたまま目を閉じていた。
私は腕を組みそして決めた。
「熱測ろう」
「嫌だ」
即答だった。
「なんで」
「平気だから」
「平気じゃない」
「平気」
「平気じゃない」
また始まった。
美都は面倒そうに目を開く。
「帰れよ」
「熱測ったら帰る」
「嘘だろ」
「たぶん」
美都は本気で頭が痛くなった。
五分後、体温計を持った翡翠が立っていた。
「どこにあったんだよ」
「洗面所」
「勝手に探すな」
「はいはい」
美都は不機嫌そうに受け取る。
「測れば満足なんだろ」
「うん」
渋々脇に挟む。
数十秒後。
ピピッと音が鳴った。
私は画面を見て固まる。
「神城くん」
「何」
「三十八度七分」
沈黙。
「病人じゃん!!」



