映画が終わる頃。
外は暗くなっていた。
翡翠は伸びをする。
「楽しかったね」
そう言って笑う。
美都は何も答えない。
代わりに。
ふと思ってしまう。
この時間が。
ずっと続けばいいのに。
明日も。
明後日も。
その先も。
ずっと。
その考えに。
美都は自分で驚く。
翡翠がいる時間。
隣にいる時間。
笑っている時間。
終わってほしくない。
それは。
今まで感じたことのない感情だった。
依存。
執着。
不安。
それだけじゃない。
もっと別の何か。
まだ名前は分からない。
でも。
確実に。
神城美都の中で何かが変わり始めていた。



