「誰」
思わず聞いていた。
翡翠が目を丸くする。
「え?」
「誰だ」
自分でも驚く。
なんで聞いた。
そんなこと。
関係ないだろ。
翡翠はスマホを見る。
「あー」
そして笑った。
「クラスの子」
美都の眉が僅かに動く。
「男か」
翡翠は吹き出した。
「違う違う」
笑いながら首を振る。
「女の子」
その瞬間。
胸の奥が少し軽くなった。
安心した。
はっきり分かるくらい。
そして。
次の瞬間。
ぞっとする。
なんで安心した?
意味が分からない。
本当に。
「神城くん?」
翡翠が不思議そうに覗き込む。
美都は視線を逸らした。



