昼休みいつもの踊り場。
二人で座る。
距離は近い。
前よりずっと。
でも今日は翡翠が落ち着かない。
好きだと自覚したせいだった。
隣にいるだけで意識してしまう。
その時翡翠の髪が風で揺れた。
頬にかかる。
邪魔そうだった。
すると隣から手が伸びる。
翡翠が固まる。
美都だった。
無言。
ただ頬にかかった髪を耳へ掛ける。
「……え」
翡翠は固まる。
心臓が跳ねる。
美都も固まった。
自分で何をしたのか。
数秒遅れて理解した。
「……邪魔そうだった」
言い訳だった。
完全に。
でも耳は真っ赤だった。
翡翠は何も言えない。
好きな人にそんなことされたら無理だった。
顔が熱い。
心臓がうるさい。
美都は前を向いている。
でも耳だけ赤い。
お互い限界だった。



