「……好きかも」
ぽつりと誰もいない部屋。
美都が好きその事実をもう否定できなかった。
一方美都も眠れなかった。
雨の日なのに怖いからじゃない。
頭に浮かぶのは翡翠の笑顔だけだった。
翌日教室へ入る。
翡翠はいつもの席に座っていた。
そして美都を見つける。
たったそれだけ。
それだけなのに昨日までと違った。
好きって認めてしまったから視界に入るだけで胸が苦しい。
「おはよ」
翡翠が笑う。
いつも通り。
でも少しだけ頬が赤い。
美都は気付かない。
「……おはよ」
短い返事。
でも声が少し柔らかい。
翡翠だけは気付いた。
最近自分に向ける声だけ少し違う。



