その言葉に何も言えなくなる。
意味なんて分かる。
雨の日の苦しさ不安怖さ全部一人で抱えなくていいってことだ。
そして美都はゆっくり手を伸ばした。
そっと翡翠の手に重ねる。
驚くほど温かかった。
「どう?」
翡翠が聞く。
美都は視線を逸らした。
耳だけ赤い。
「……少し」
小さく答える。
「少し楽」
翡翠は嬉しそうに笑った。
窓の外では雨が降り続いている。
それでも今日は怖くなかった。
手の中の温もりがある。
そして自分の苦しさを半分持とうとしてくれる人がいる。
その事実だけで美都は少しだけ救われていた。



