君だけが俺の居場所だった


雨は強かった。

翡翠は公園の前で立ち止まる。

ベンチに座る人影。

傘も差していない。

制服はびしょ濡れだった。

見間違えるはずがない。

美都だった。

「神城くん?」

声を掛けても反応がない。

翡翠は近付く。

美都は俯いたままだった。

前髪から雨が落ちている。

「何してるの」

返事はない。

「風邪ひくよ」

その言葉でようやく美都が顔を上げた。

「……何の用」

低い声だった。