翡翠は迷った。 このまま寝室へ行くべきか。 少し距離を置くべきか。 そう思った。 でも。 美都の顔を見る。 苦しそうだった。 今にも壊れそうだった。 その顔を見た瞬間。 答えなんて決まっていた。 そんな顔をしている人を。 一人にできるわけがない。 翡翠はゆっくり戻ってくる。 美都の前へしゃがむ。 「神城くん」 小さく呼ぶ。 返事はない。 「顔上げて」 しばらくして。 美都がゆっくり顔を上げた。 目が赤かった。 泣くのを我慢している顔だった。 翡翠の胸が痛くなる。