「一人にしないで」
静かな部屋だった。
だから。
その言葉ははっきり聞こえた。
翡翠は息を呑む。
美都は顔を上げられない。
終わった。
本当に。
こんな姿。
見せたくなかった。
弱いところなんて。
知られたくなかった。
でも。
もう限界だった。
沈黙。
長い沈黙。
翡翠は動けなかった。
一人にしないで。
その言葉が頭から離れない。
神城くんが。
あの神城くんが。
そんなことを言うなんて。
想像もしていなかった。
でも。
目の前の美都を見る。
俯いたまま。
震えている。
必死に何かを堪えている。
その姿が。
痛いほど伝わってきた。



