君だけが俺の居場所だった

翡翠の心臓が大きく跳ねた。

「え」

緋色も固まる。

予想外だったらしい。

いつもなら即答で否定する。

怒る睨むそれがお決まりだった。

でも今日は違う。

「神城さん?」

緋色が聞く。

美都は答えない。

代わりに小さくため息を吐いた。

「……うるさい」

掠れた声。

でも否定じゃない。

翡翠が固まる。

緋色は数秒停止したあと。

「えええええ!?」

大声を上げた。

「まじで!?」

「うるさい」

「まじじゃん!!」

大興奮だった。

「緋色!」

今度は翡翠が叫ぶ。

顔が真っ赤だった。

「静かにして!」

「だって!」

「静かにして!」

珍しく必死だった。

緋色はようやく口を閉じる。

でもにやにやは止まらない。