君だけが俺の居場所だった


その時だった。

二階から物音がした。

「んー……」

聞き覚えのある声緋色だった。

二人同時に顔を上げる。

数秒後ぱたぱたと階段を降りる音。

そしてリビングの扉が開いた。

「姉ちゃ――」

緋色が固まる。

ソファに美都と翡翠が向かい合って座っている。

数秒間沈黙の後、緋色の顔が一気ににやけた。

嫌な予感しかしなかった。

「神城さん来てるじゃん!」

「うるさい」

美都が即答するが緋色は気にしない。

「もしかして会いに来た?」

世界が止まる。

翡翠が吹き出しそうになる。

美都は固まる。

「違う」

即答。

人生最速だった。

「絶対嘘」

「違う」

「絶対会いに来たじゃん」

緋色は楽しそうに笑う。

そして爆弾を落とした。

「姉ちゃんもずっと神城さんの話してたし」

翡翠が固まる。

美都も固まる。

「緋色」

翡翠の声が低くなる。

でももう遅かった。

緋色は満面の笑みだった。

「え?言ってなかった?」

翡翠の顔が真っ赤になった。