食後。 雨は完全に止んでいた。 でも。 美都は帰ると言わなかった。 言えなかった。 帰れば。 また一人だ。 また夢を見る。 また眠れなくなる。 考えただけで苦しい。 その時。 翡翠が隣へ座った。 「神城くん」 「何」 「今日は泊まっていく?」 優しい声だった。 美都は答えない。 答えられない。 でも。 帰りたくなかった。