しばらくして。
夕飯ができる。
向かい合って座る。
二人だけ。
静かだった。
「いただきます」
翡翠が言う。
「……いただきます」
美都も続く。
数分。
食器の音だけが響く。
その時。
翡翠がぽつりと言った。
「神城くん」
「何」
「今日は大丈夫?」
箸が止まる。
「何が」
「一人じゃないから」
翡翠は少し笑った。
「少しは安心できる?」
その言葉に。
美都は俯く。
本当は。
かなり安心していた。
でも。
言えない。
そんなこと。
言えるわけがない。
「……別に」
いつもの返事。
翡翠は吹き出した。
「嘘」
即答だった。



