「と、とりあえず」 翡翠が慌てて立ち上がる。 「ご飯作るね」 逃げるようにキッチンへ向かう。 美都はソファに座った。 ぼんやりと眺める。 キッチンに立つ翡翠。 野菜を切る音。 鍋の音。 生活音だった。 なのに。 胸が少し温かくなる。 家なのに。 苦しくない。 それが不思議だった。