翌朝教室へ入る。
いつもならもういる時間だった。
窓際の席そこを見る。
誰もいない。
「……」
分かっていた。
緋色が39度もあるから翡翠が休むこともちゃんと分かっていた。
それでも無意識に探してしまった。
ホームルーム担任が出席を取る。
「橘」
返事はない。
「欠席」
たったそれだけ。
でも胸の奥が少しだけ重くなる。
自分でも嫌になる。
たった一日だ。
大げさだろそう思うのに気になってしまう。
昼休みいつもの踊り場。
窓の外は晴れていた。
でも今日は静かだった。
隣に誰もいない。
パンを食べながらふと横を見る。
誰もいないその事が妙に寂しくなった。
「……重症だな」
小さく呟く。
誰も聞いていない。



