「俺のこと考えてみてくれないか」 男子の言葉が廊下に響く。 翡翠は少し驚いた顔をした。 でも。 答えようとしたその時だった。 男子がふと後ろを見る。 「あれ」 翡翠も振り返る。 誰もいない。 でも。 男子は眉をひそめた。 「今、神城いたよな?」 その瞬間。 翡翠の心臓が跳ねた。 「え?」 「角のとこ」 男子が指差す。 「いた気がしたんだけど」 翡翠の顔から血の気が引いた。