「好きじゃん」
緋色の一言だった。
翡翠の顔が真っ赤になる。
「違う!」
慌てて否定する。
でも声が裏返っていた。
緋色は大爆笑。
「絶対好きじゃん!」
「違うって!」
その時だった。
「何騒いでる」
後ろから声がした。
美都だった。
翡翠はびくっと肩を震わせる。
心臓が跳ねる。
さっきまで普通だったのに今は違う。
好き。
その言葉を聞いたあとだから顔を見るだけで落ち着かない。
「なんでもない!」
思わず叫ぶ。
今度は美都が固まる。
「……そうか」
怪訝そうな顔。
完全に不審者を見る目だった。
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