緋色じゃなくて。 俺だったら。 そんな考えが浮かんだ瞬間。 美都は目を閉じた。 最低だ。 本当に。 緋色は大事な弟だ。 比べる相手じゃない。 そんなこと分かっている。 なのに。 どうしても思ってしまう。 「……俺じゃなくて」 ぽつりと呟く。 誰にも聞こえない声。 そして。 その続きを。 自分でも口にできなかった。