「姉ちゃんさ」 緋色がぽつりと言う。 「神城さんのこと好きなんじゃない?」 世界が止まった。 翡翠が固まる。 数秒。 完全停止。 「……は?」 やっと出た声だった。 好き。 その言葉が頭に残る。 違う。 そう思う。 でも昨日のことを思い出す。 崩れ落ちた神城くん。 泣いていた神城くん。 抱きしめた時の安心。 そして今こうして眠っている姿を見てほっとしている自分。 「……」 胸が少しだけ鳴る。 嫌な鳴り方じゃない。 でも落ち着かない。