その時だった。 二階から緋色の声が響く。 「姉ちゃーん!」 翡翠が立ち上がる。 「はーい!」 すぐ返事をする。 そして。 何の迷いもなく二階へ向かった。 美都はその背中を見つめる。 数秒。 ただ見つめる。 その時。 気付いてしまった。 翡翠は。 呼ばれたらすぐ行く。 優先する。 当たり前だ。 家族なんだから。 でも。 胸の奥がざわつく。