翌朝先に目を覚ましたのは翡翠だった。
ぼんやりと天井を見る。
まだ眠い。
昨日はいろいろありすぎた。
母親のこと雨の中のこと神城くんの涙。
全部頭に残っている。
「……」
小さく息を吐く。
そして何気なく隣を見る。
少し離れた場所に美都が眠っていた。
穏やかな寝顔だった。
最近はずっと苦しそうだったのに今は少しだけ違う。
その顔を見て翡翠は安心する。
「よかった」
思わず呟いていた。
ちゃんと眠れている。
それだけで嬉しい。
そのことに少し驚く。
普通ならここまで気にしない。
友達が眠れているかなんて。
毎日考えない。
でも最近は違う。
神城くんが眠れたか。
ご飯を食べたか。
笑ったか。
元気か。
そんなことばかり気になる。
「重症だなあ……」
小さく苦笑する。
もちろん意味は分かっていなかった。
まだ。



