「じゃあね」 翡翠は笑う。 美都は何も言わない。 でも。 立ち去る前に一度だけ振り返った。 ほんの一瞬。 それだけだった。 なのに。 なぜか嬉しかった。 翡翠は首を傾げる。 まだ恋じゃない。 憧れでもない。 ただ。 神城美都という人のことが少しずつ気になり始めていた。 雨は今日も降り続いている。