「神城くん」 「……」 「私帰るよ」 その言葉に。 美都の指に力が入る。 翡翠は気付いた。 帰る。 その言葉だけで。 この子はこんな顔をする。 胸が締め付けられた。 「でも」 翡翠が続ける。 「明日も会える」 美都はゆっくり顔を上げる。 「昼休みも」 「……」 「帰り道も」 翡翠は笑う。 「ちゃんといるよ」 その笑顔が眩しかった。