「神城くん」 優しい声。 それだけで胸が痛くなる。 美都は顔を上げない。 上げられない。 こんな姿。 見せたくなかった。 知られたくなかった。 なのに。 止まらない。 「……忘れろ」 掠れた声。 「無理だよ」 即答だった。 「忘れて」 「無理」 「なんで」 「だって」 翡翠が少し困ったように笑う。 「すごく苦しそうだから」 その言葉に。 美都は何も言えなくなる。