「神城くん?」 優しい声。 美都は俯いたまま動けない。 離さなきゃいけない。 分かっている。 でも。 指に力が入る。 そして。 かすれるような声が零れた。 「……帰らないで」 自分でも驚くほど弱い声だった。 今にも消えそうな。 助けを求める子供みたいな声。 翡翠は目を見開く。 美都は顔を上げられない。 ただ。 震える手だけが。 必死に翡翠を掴んでいた。