『姉ちゃんまだー?』 廊下の向こうから緋色の声が聞こえる。 『もう帰るよー』 翡翠が答える。 帰る。 その言葉に。 心臓が大きく鳴った。 帰る。 当たり前だ。 ずっといるわけじゃない。 分かっている。 分かっているのに。 怖い。 また一人になる。 その感覚が押し寄せてくる。